よくいただく質問があります。輸入コンテナがロッテルダムに到着し、顧客は内陸 120 km 先にいる。コンテナを T1 に載せて、顧客の倉庫で通関すればいいのでは? はい、その仕組みは存在し、うまく機能しています。ただし T1 は、トラックがたまたま停まった場所で終わるわけではありません。税関官署か、承認荷受人(authorised consignee)の許可を持つ場所で終了しなければならず、しかも全行程にわたって誰かが関税と VAT の担保を立てる必要があります。このページでは、その仕組みを順に説明します。
T1 とは何か
T1 は対外通過運送(external Union transit)の申告です。非 EU 貨物(EU の輸入関税と VAT がまだ納付されていない貨物)を、これらの税金を先に払うことなく EU 域内のある地点から別の地点へ移動させることができます。貨物は出発から仕向地まで税関の監督下に置かれます。これは猶予の制度であって免除ではありません。関税は消えるのではなく、行程の終わりで待っています。典型的な使い方は、ロッテルダムで揚げ降ろされたコンテナを保税倉庫へ、別の加盟国へ、あるいは輸入申告を行う内陸の地点へ運ぶ場合です。
対になるのが T2、すなわち域内通過運送(internal Union transit)で、EU 貨物が二つの EU 地点間の移動の途中で第三国の領域(例えばスイス)を通過する場合に使われます。貨物を監督下で移動させるのではなく、すでに EU ステータスを持つことを証明するだけでよいなら、必要なのは T2L のほうです。オランダの港発の輸入業務は、その大半が通常の T1 です。
NCTS での運送の流れ
通過運送の申告は NCTS(New Computerised Transit System)で電子的に行われます。EU と共通通過運送協定国が共用するシステムです。2024 年 12 月以降、すべてが NCTS フェーズ 5 で稼働しており、その背後にあるオランダ税関のアプリケーションは DVA と呼ばれます。AES や ICS2 といった他の EU 税関システムと並んで運用されています。
流れは次のとおりです。
- 申告者(実務上はたいていフォワーダーまたは通関業者)が出発官署(office of departure)に T1 を提出し、出発官署が運送を許可して通過期限を設定します。
- 貨物は MRN とともに申告書に記載された仕向官署(office of destination)へ移動し、その期限内にそこで呈示されなければなりません。
- 仕向地で貨物とデータを呈示した時点で手続は終了します。その後、出発官署が出発データと到着データを照合して決済(aanzuivering=discharge)します。この二つは別個のステップで、申告者は二つ目が済むまで責任を免れません。
担保
通過運送の担保は義務です。T1 が許可される前に、申告者は、貨物が仕向地に到達しなかった場合に発生する関税債務をカバーしなければなりません。申告ごとに担保を立てる方法と、別途の許可に基づく包括担保(comprehensive guarantee)を使う方法があります。後者は、参照金額に対する銀行保証または現金供託で、未決済の全運送を一括してカバーします。T1 を定期的に扱う者は皆、包括担保で運用しています。コンテナごとに現金を積むのはすぐに割に合わなくなるからです。
フォワーダーが T1 を軽々しく作成しないのもこのためです。申告を提出した当事者は手続の名義人(holder)となり、決済まで責任を負い続けます。運送が正しく終了されないままだと税関は照会手続を開始し、それで結果が出なければ、関税と VAT は担保を通じて名義人から徴収されます。「行方不明」の T1 は、書類上の脚注ではなく、申告者の口座に響く実際のお金です。
顧客の戸口で T1 を終了する
冒頭の質問の落とし穴はここにあります。T1 は通常、税関官署または承認された一時蔵置場所で貨物を呈示することで終了します。顧客の倉庫はそのどちらでもありません。その場所が通過運送の承認荷受人の許可でカバーされている場合を除いては。
この許可があれば、トラックは許可証に記載された施設へ直行できます。到着時に荷受人は税関へ電子的な到着通知を送り、荷卸し許可を待ち(検査に選ばれなければ通常は数分で下ります)、荷卸しを行い、3 日以内に荷卸し結果を報告します。税関官署へ立ち寄る必要はなく、T1 は戸口で終了し、出発官署はこれを決済できます。
許可がない場合、コンテナを顧客へ直接届けるのは近道ではなく違反です。貨物は税関監督から離脱したものとみなされ、関税債務が発生し、申告者に課されます。合法的な代替策は十分シンプルです。顧客の近くの税関官署または保税・一時蔵置場所で T1 を終了するか、近隣で許可を持つ事業者を使うことです。
その次に:輸入申告
T1 を終了しても貨物は自由になりません。依然として非 EU 貨物であり、いまは仕向地で税関の管理下にあります。次のステップは、その場所での輸入申告(または保税倉庫への搬入)で、これにより関税と VAT が精算され、貨物が引き渡されます。VAT の納期猶予を含む輸入の全体像については Importing Into The Netherlands をご覧ください。
つまり冒頭のケースへの答えはこうなります。はい、輸入コンテナを顧客の施設で通関することはできます。ただし T1 が承認荷受人の場所で終了すること、そして担保と通関士を備えた者が T1 と輸入申告の両方を作成することが条件です。
Nexport Logistics の役割
Nexport Logistics は FENEX 条件の下で営業するフォワーダーで、自社の通関士を擁しています。当社の包括担保の下で T1 書類を作成し、運送の終了方法(承認荷受人、税関官署、または保税場所)を計画し、仕向地で輸入申告を提出します。すべて Nexportal プラットフォームで貨物そのものと並べて追跡できます。コンテナを T1 で内陸へ運び、到着地で通関したいですか? ルーティングを添えて info@nexportlogistics.nl までメールをいただければ、手配いたします。
公式情報源:欧州委員会 — Union and Common transit · 欧州委員会 — NCTS · Handboek Douane — Unie- en gemeenschappelijk douanevervoer · Handboek Douane — procedure kantoor van bestemming · Handboek Douane — toegelaten geadresseerde · Handboek Douane — zekerheidstelling douanevervoer